2025/08/9

8月になると、町には提灯が灯り、盆踊りの音が風に乗って聞こえてきます
そんな風景に懐かしさを覚える方も多いのではないでしょうか
お盆は、祖先を敬い、命のつながりに思いを馳せる、日本人にとって大切な時間です
この行事の由来は仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)にあります
目連尊者が亡き母を救うために供養を行ったことが起源とされています
ここに日本古来の祖霊信仰が融合し、現在のお盆の風習が形づくられました
お盆の時期は地域によって異なり、東京都心部などでは7月13日〜16日、多くの地域では8月13日〜16日が一般的です
さらに、沖縄・奄美地方では旧暦に基づいて行われるため、時期もずれているのが特徴です
お盆には様々な風習があり、迎え火と送り火でご先祖様の魂をお迎えし、再びあの世へ送り出します
また、キュウリとナスで作る精霊馬・精霊牛には、「早く帰ってきて、ゆっくり戻ってほしい」という願いが込められています
盆棚には花や果物、故人の好きだったものを供え、ご先祖様への感謝を込めて手を合わせます
そして盆踊りは、供養の喜びを体で表現し、地域の人々との絆を深める大切なイベントでもあります
現在は、お盆休みを利用して帰省する人が多く、家族で過ごす貴重な時間となっています
お墓参りや仏壇へのお供えは変わらぬ習慣として続く一方で、旅行やレジャーに出かけるなど、過ごし方の選択肢も増えています
お盆は、過去・現在・未来の命のつながりを実感できる尊い時間です
ー忙しい日々の中で立ち止まり、ご先祖様への感謝と家族とのふれあいを通して、心が穏やかになる瞬間ー
お盆の姿が形を変えながらも、受け継がれていくことが大切だと思います
営業葬祭部:平松卓也